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鉱研工業株式会社

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温泉開発事業

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鉱研工業の温泉開発

鉱研工業株式会社は、ボーリングマシンのメーカーでありながら、同時に半世紀以上にわたり国内外の地下開発も手がけた、温泉の基礎となる地下開発のプロフェッショナルです。
温泉掘さくに先立って行われる事前調査や地質調査、物理探査には、経験豊富な技術者が担当します。特に国内に数台しか装置がない最新の温泉探査技術、 電磁探査(CSA-MT)をはじめ、各種探査法による綿密な探査、解析を常に実施しています。
さらにポンプ設備設置から温泉井戸のメンテナンスまで、一貫して対応できる鉱研工業は、お客様の温泉開発事業にとって、きっと最高のソリューションパートナーとなるでしょう。

温泉開発の流れ

温泉開発は、計画立案から利用開始まで、1年以上にわたることもある、長期間のミッションです。
温泉開発許可の前提となる「温泉掘削許可申請」を審議する温泉審議会の開催時期や、申請条件や手続きに必要な書類等も、各地域で異なりますので、まずは当社までお問い合わせください。

1. 温泉掘削許可申請
(所要月数:2〜6ヶ月)
2. 温泉掘削工事
(所要月数:4〜6ヶ月)
3. 温泉動力装置の設置
(所要月数:2〜4ヶ月)
4. 温泉利用の開始へ
(所要月数:1〜3ヶ月)

温泉の事前調査

お客様が温泉開発(温泉のある施設の建設)をご計画になる際、おそらくこんな事をお考えになるでしょう。 つまり・・・・

  1. 分譲予定地や別荘地などお手持ちの用地や既存施設(ホテル・ゴルフ場・病院・学校・アミューズメント施設、公共施設等々)に温泉の湧出する可能性を知りたい。
  2. もし温泉開発候補地が複数ある場合、どの候補地に温泉が湧出するだろうか。
  3. たとえその候補地に温泉湧出の可能性があっても、自治体等の規制等にかかっていないだろうかと。 鉱研工業なら、半世紀を超える地下開発の経験や豊富なデーターから、 温泉湧出の可能性や既存施設・先願計画の有無、自治体等の規制などトータルなご相談にお応えでき、温泉掘さくポイントを絞り込む本格的な温泉探査に向けた、ご満足いただける事前調査ができることと思います。 また、温泉を利用した施設建設・や温泉水の自動販売機などのコンサルティングやご紹介もできますので、お問い合わせください。

温泉の探査~掘削計画の立案

事前調査により、ご指定の温泉開発候補地の中に温泉湧出の可能性がある場合、ご希望によりさらに詳しい温泉の探査を致します。
たとえば深層地下水型の温泉の存在が予想される場合、その地域の地温の上昇度合い(地温勾配)から、掘さく深度については仮の計画を立てることが容易です。つまり100メートルで3℃の地温勾配がある地域であれば、1500メートルの掘さくで、孔底では地上付近より45℃ほど温度が高くなりますので、もしここに地下水が存在すれば、それは温泉になります。
つまり、温泉探査とは温度の高い地下に地下水を探すことにほかなりません。
そこで地質踏査や航空写真を使った地質調査や放射線や電気・電磁波などを利用した「物理探査法」などにより、地下水のありそうな断層破砕帯をさがし、総合的な解析から、温泉掘さく地点やその深度を決定して、温泉の設計図に相当するケーシングプログラムを立案します。

地質調査(地表踏査)

文献資料を参考とし、候補地域の地質の分布、走向、傾斜、断層・節理などの調査を行い、地質構造を明らかにします。この調査では特に地熱兆候に関連する変質帯や断層周辺の分析を重点とし、候補地をさらに絞り込みます。

物理探査

温泉探査に利用される物理探査法は、地球科学探査(水銀、ラドンガス測定など)を含め、放射能探査、電気探査、電磁探査(CSA-MT法)などがあり、単独または重複調査により開発有望地点を推定します。

総合解析

地質調査、物理探査などの結果から温泉開発の可能性を総合的に評価し、掘さく候補地店を決定、深度、孔径、温泉の設計図にあたるケーシングプログラムなどの掘削計画を立案します。

温泉開発に必要な主な許可申請と必要な書類の例

温泉掘削は資源保護等の目的で都道府県知事による許認可事項となっています。
温泉を湧出させる目的で土地を掘削する場合、申請者は温泉掘削の計画や目的を書面にし、必要な証明書や公図などと所定の手数料を貼付して申請します。

温泉掘削許可申請

申請書の宛先 都道府県知事
申請書提出先 所轄保健所
申請内容(例) 温泉の利用目的
掘削予定地の現況報告
● 住所
● 地目
● 付近の既存温泉状況調査報告
工事内容
● 温泉の仕様(孔径、深度など)
● 請負業者など
各種証明書類
●土地登記簿謄本など
添付書類(例) 既存温泉との距離を証明する見取図
各種誓約書
利用契約書

温泉増掘許可申請

予定深度まで掘削しても十分な温度や水量が得られなかった場合など、この「温泉増掘許可申請」を提出して、湧出量を増大させる目的で孔径を大きくしたり、より深くまで掘削をする場合があります。もちろん、既存温泉井戸の改変時にも適用されます。

申請書の宛先 都道府県知事
申請書提出先 所轄保健所
申請内容(例) 増掘工事の施工理由書
増掘場所を示した地形図など
各種証明書類
土地登記簿謄本など
各種誓約書
その他温泉掘削許可申請時に準ずる申請書および添付書類

温泉掘削工事完了届

温泉掘削工事の完了後、10日間などと決められた期間内に「温泉掘削工事完了届」を提出し、都道府県などに工事概要の確認を要請します。場合により立会い検査等があります。

申請書の宛先 都道府県知事
申請書提出先 所轄保健所
添付書類(例) 完成井戸断面図(総合柱状図)等

温泉動力装置許可申請

温泉をくみ上げるためのポンプ(=動力装置)の設置を、その選定根拠を添えて申請します。申請内容は再び自然環境保全審議会の温泉部会で諮られ、適否を審査されます。

申請書の宛先 都道府県知事
申請書提出先 所轄保健所
添付書類(例) 利用計画書
工事施工理由書
設置場所の地図、地籍図または測量図等
温泉成分分析の書類
動力装置に関する書類、揚湯試験結果、影響調査結果等

温泉利用許可申請

温泉を公共の浴用または飲用に利用しようとする場合は、都道府県知事等に申請してその利用の適否の審査と許可を受けます。

申請書の宛先 都道府県知事
申請書提出先 所轄保健所
添付書類(例) 利用施設の配置や構造に関する書類
温泉成分の分析結果
飲泉口より採取した温泉の水質検査成績書の写し(飲用の場合)
定款又は寄付行為の写し(申請者が法人の場合)
会社全部事項証明書(会社謄本)(申請者が法人の場合)

温泉成分等掲示内容届出書

申請書の宛先 都道府県知事
申請書提出先 所轄保健所
添付書類(例) 登録分析機関による分析結果
適応症、禁忌症及び入浴/飲用上の注意が記載された書類

お見積書の提出とご契約お見積書の提出とご契約

温泉開発は一般の建築工事などと異なり、開発工事の途中経過次第で次の段階の方針が決まります。
たとえば、予定深度の掘削が終了し温泉が湧出しても、汲み上げられる量や水位によって据付けられるポンプの仕様が変わります。従って、温泉ポンプのご購入や設置工事は温泉掘削工事とは別にお見積もりを作成し、ご契約いただくことになります。

温泉開発工事におけるお見積書とご契約は、開発途中の段階ごとに行われます。

お見積書の作成とご提出

お見積書はお客様の温泉開発事業のご予算計画の基本となりますので、明瞭かつ正確なものであることを期して作成します。
しかし、ボーリング工事は見えない地下での工事であるため一般の建築工事等に比べて見積書を作成する場合の前提条件が仮定に基づくケースが多くなります。また、用地(造成・搬入路)や用水、廃土処理等、打ち合わせによりお客様ご負担となる場合もあります。ご不明の点は担当者と入念にお打合せください。
鉱研工業では高性能の温泉掘削専用機「スピードSPAドリル」の使用を始め、徹底したコスト削減努力によって高品質の温泉井戸をご満足いただける費用でお見積りいたします。

掘削工事のご契約

工事金額・請負条件等でお客様と鉱研工業との合意が出来た時点でご契約書となります。

その他のご契約

ポンプ設置工事、給湯、配管設備工事

掘削工事完了時の用水試験結果により、ポンプの種類と設置位置を決定、その決定後のご契約となります。また、油温や湯量によってそのご利用方法がお決まりになりましたら、給湯、配管工事もぜひ当社にご用命ください。

メンテナンス

温泉水での使用は、専用機器と言ってもポンプや給湯、配管設備にとっては過酷な使用条件です。水質や水量ごとに異なる適切な時期に保守点検を行うことで、ポンプや設備の寿命を延ばし、突然の故障発生の確率を最小限にすることが出来ます。

温泉ボーリング工事

ご契約・都道府県への手続き、近隣への説明等が完了すれば、いよいよ温泉ボーリング工事の着手になります。

温泉掘削工事からポンプ設置までの流れ(概略)

1
基礎工事・仮設工事
様々な調査、検証ののち、いよいよ掘削となります。施設の状況などにより設定された掘削ポイントを基点として、大型ボーリングマシン据付け、ヤグラ設置の土台となる基礎部分の工事が始まります。
設定された掘削ポイントに部材が搬入されます。
基礎の工事が終了したところ
つづいて、ボーリングマシン、ヤグラを設置する台座を組みます。
台座にヤグラが建設されていきます。
2
掘削機(ボーリングマシン)の設置
基礎工事、台座を設置する仮設工事が終了したら、ボーリングマシンを搬入、据付けします。ヤグラの組立てとボーリングマシンの搬入据付は、前後する場合があります。
ボーリングマシンが現場に搬入されてきました。
ボーリングマシンを掘削ポイントに据え付けます。
据付が完了したところ
この現場では、ボーリングマシンを据付後、ヤグラを組み立てています。
3
口元掘削
温泉に限らず、比較的大深度の掘削を行う場合、掘削孔の開始地点=口元には、ポンプ、防爆装置などの機器を設置することがあります。口元掘削はいわばその「作業場」を確保するための掘削で、広い範囲を掘削することが多くあります。
掘削ポイントを的確に掘削開始します。
この写真は口元掘削が完了し、温泉掘削を開始するところです。
この写真の現場は、口元のスペースをかなり大きくとっています。
4
口元ケーシング装置
主に、防爆装置を取り付けるために掘削孔につけるアタッチメントの役目を果たすのが口元ケーシング装置です。地下深くを掘削するため、掘削孔からは掘削ズリと一緒に多少のガスが上がってきます。安全のためにボーリング時には防爆装置を取付けています。
口元ケーシングの取付状況(上から見たところ)
こちらは、口元ケーシングに取り付けられたBOPと呼ばれる防爆装置です。
5
掘削
温泉掘削は、地下1000mから深いときには3000mまで掘り進みます。効率を考えれば使用ロッドはなるべく長尺なほうが望ましい。その長いロッドを取り回すのにヤグラ(及び揚降装置)を設置するわけです。
掘削孔付近でのボーリング作業の様子。
ヤグラ頂部ではこのようにロッドを取り扱います。
掘削現場ではこのように無数のボーリングロッドが積み上がります。
掘削機の操作は経験豊富な作業員が行います。
6
ケーシング設置
上がってくる温泉のための通り道となる管、ケーシングを挿入します。深さごとに段階を踏んでロッドの径を細くしていくため、複数の管径を用意します。この時、孔壁保護と、地層の物質の混入を防ぐため、さらにセメントで管の周りを固めます。
ケーシング用管の搬入風景
第一段階ケーシングは最も太く、26cmほどの径があります。
次々と挿入されていくケーシングは溶接で接続されます。
ケーシングの周りにセメントを流しているところです。
7
掘削
温泉掘削は、地下1000mから深いときには3000mまで掘り進みます。効率を考えれば使用ロッドはなるべく長尺なほうが望ましい。その長いロッドを取り回すのにヤグラ(及び揚降装置)を設置するわけです。
掘削孔付近でのボーリング作業の様子。
ヤグラ頂部ではこのようにロッドを取り扱います。
掘削現場ではこのように無数のボーリングロッドが積み上がります。
掘削機の操作は経験豊富な作業員が行います。
8
検層
掘削をある程度進めた後、その掘削孔の様子を電気信号の反射や、カメラなどで検証する作業が孔内検層です。掘り進めた地層の変化、そして水(湯)を含んだ帯水層に届いているかなどを検証する作業です。
●電気検層
●温度検層
●放射能検層
検層装置。この現場では電気式検層装置を使用しました。
掘削機をスライドさせ、掘削孔に検層装置を挿入しています。
9
ケーシングストレーナー設置
掘削、検層を繰り返し、水(湯)を含んだ帯水層を確認できれば、ひとまず掘削作業は終了です。最終ケーシングは、湯を採集するためのスリットが開いています。このスリットのあるケーシングをろ過器の意味でストレーナーと呼んでいます。ストレーナーを挿入し、セメントで固めれば温泉井戸の完成です。
ストレーナーの挿入風景
ストレーナーを帯水層に正確に設置するため固定器具が使われます。
10
孔内洗浄
●清水、エアリフト
11
揚湯試験
掘削のための泥水や不純物を取り除く孔内洗浄ののち、湧いてくる水(湯)の量、水質、水以外の含有物などを調べる揚湯試験も、温泉掘削において重要な工程です。
●予備揚湯試験
●段階揚湯試験
●連続揚湯試験
●回復試験(湧出量、水位の測定)
湯量を確認しています。
温泉の水質を調べています。
湯内のガスの含有量を調べています。
12
掘削機械設備の解体・搬出
13
保健所及び指定分析機関による現場調査・試験
14
温泉井戸の完成
●揚湯ポンプの設置
●揚湯管・給湯配管設備工事
●電気工事

省スペース低騒音ドリル

KOKENの温泉掘削は、おもに、このスピードスパドリルSSDシリーズを使用して行います。温泉ボーリングのページに記載した工程のうち、基礎工事・仮設工事、そしてヤグラの設置が不要になること、自動ロッド着脱装置を備えており、ロッドの取扱作業のための高所作業(員)が不要であり、作業スピードが格段に速いこと、そして、スリムな構造のため、従来のロータリー式大型ボーリングマシンとヤグラの組み合わせを使うよりも限られたスペースでも温泉掘削が可能なこと、など、非常に大きなメリットを持っています。
それでもKOKENの温泉掘削は、ロータリー式大型ボーリングマシンとヤグラの組み合わせで掘削を行うこともあります。
これは、このスピードスパドリルSSDシリーズが、当方の予想を超えて、温泉掘削のみならず地熱開発、大規模地質調査などに使用され、日本各地で常に稼働状態になっているためです。
従ってKOKENでは、従来方式での掘削が可能な温泉現場では大型機+ヤグラでの作業もおこなっています。

大幅な省力化、省人化を実現

この高いマストにより、6mの長尺ロッドをつかみ替え無しで1ストロークで掘削します。
それでもヤグラよりも低い高さなのは、作業員のスペースが不要だからです。
東京 大手町での温泉掘削状況。施設建設と同時進行の掘削を敢行しました。
ご覧のように長尺ロッドの着脱はコントロールボックスからの自動制御で行われます。所定の位置にロッドをまとめて設置すればロッドの搬送、機械へのセットを自動で制御します。

掘削ポイントの自由度がアップ

スピードスパドリルはスリムな構造のため、削孔点の自由度が格段に上がります。
このような極めて限られた作業スペースでも、温泉掘削が可能です。(東京都 港区)

湧出した温泉を大切にする配管工事

適切な給湯配管が設置されなければ、せっかく湧出した温泉も大きな温度低下を招いたり、スケールの早期付着を起こしたりと、ランニングコストやメンテナンスコストの増加を招きます。当社では、多くの実績と経験から得た、適切な給湯設備設置のノウハウを温泉設備工事にも注ぎ込んでいます。

湯量・湯温に合わせた適切な配管

特に泉源から貯湯タンクまでの配管は、湯量や湯温、そして成分により適切な材質と口径を選択する必要があります。また、断熱材も慎重に選択し、送湯中の温度低下を最小限に抑えます。
温泉配管は定期的なメンテナンスや交換が必要になります。そのため可能な限り地中や壁内への埋め込みを避けます。当社ではベテランのエンジニアが温泉利用施設のレイアウトに合わせ、かつ維持管理コストを下げるメンテナンスのしやすい配管・給湯設備を設計します。
ご希望により、スケール付着防止装置の取り付けや、温泉スタンド設備も設置できますのでご相談ください。

温泉井戸と設備の維持管理

自動車の点検のように、温泉も定期的な点検とメンテナンスをすることで、井戸と給湯配管設備を長持ちさせ、また突発的な故障を予防します。
一般的に、温泉利用開始後1年目に最初の点検を実施して、その状況から次回以降の点検時期を決定します。
KOKENでは、このような定期点検を始め、温泉井戸の維持管理一式をお請けしております。

一般的な設備定期点検の流れ

1
温泉(設備)利用開始
2
第1回目の点検
井戸ポンプの引上げポンプのオーバーホール
給湯配管の点検揚湯管の点検(スケール付着状況)
電気設備の点検
3
処置
井戸ポンプの引上げ最初のポンプはスペアに
給湯配管の処置内部洗浄、スケール除去
電気設備の処置必要に応じて
4
次回点検時期の決定
第1回目の点検結果により次回点検時期を決定
5
2回目以降の点検へ

緊急メンテナンス

井戸ポンプの突発的な故障などにも迅速に対応します。

温泉井戸のメンテナンス

温泉井戸自体も、長期使用のうちに内部のスケール付着によりポンプの揚降が困難になったり、ストレーナー(スリット)の目詰まりが発生するなどで、水位や揚湯量が低下することがあります。このような状況では、井戸内部のクリーニングをすることにより対応します。

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